遠赤外線ヒーターの原理とその応用例について

ハロゲン化物を含んでいるフィラメントは、両端の電極に電圧をかけてそこに電流を流すことで電磁波を放射する性質があります。

放出される電磁波の波長は赤外線から遠赤外線の帯域でありますので、対象物に照射するとその部分が熱を帯びます。こうした現象を輻射と呼んでいて、この原理と現象を応用して製品化したものが遠赤外線ヒーターです。フィラメントは成形が容易であるため、ランプ状や棒状にすることが可能で、さまざまな器具になっています。特筆すべき点はランプの効率です。入力した電力のうちおよそ85パーセントが赤外線帯域の電磁波に変換可能であり、このような高効率は他の加熱器具では見られません。

電流を流すとすぐに赤外線が照射され、止めれば収まります。このような特徴を活かして遠赤外線ヒーターは、住宅のハロゲンヒーターとして暖房に用いられたり、大型機器に加工して工場などの焼き付き塗装の加熱装置や、食品加工工場での焼く工程での機械に応用されています。体育館のアリーナなどの大空間の暖房にも適していて、複数の機器を壁や天井などに配置することで大容量の空間の加温をします。3種類ある熱の伝わり方のうち、輻射の現象を活用したのがこの暖房方式で、対流や伝導による熱源からの熱が直接伝わるのではなくて、遠赤外線を対象物に照射してその面全体に熱を持たせることで部屋を暖めます。

人体だけでなく壁や床や天井に行き渡った電磁波が全体が均一に暖まり、他の局所暖房にありがちな顔だけが熱く足元は寒いままのような現象はありません。利用者の肌やのどが乾燥するなどの弊害も発生しません。加えて、燃焼させての暖房ではないため空気が汚れることもなく、気になるようなにおいは発生しないことも特徴です。冬場は室内が乾燥しがちで、温風でホコリの舞い上がりが起こりますが、この遠赤外線ヒーターでは舞い上がりはなく喘息やアレルギーに悩む人にも安心な手法です。

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